2015年度 第6回研究会

会員各位

27年度第6回研究会を下記の通り、2015年11月20日(金)(18:30~20:00)に開催いたします。
参加を申込まれる方は、件名を「研究会申込」と明記して
(1) 参加者氏名  (2) ご所属 (3) 会員種別(個人/法人/非会員)
を下記お申込先までEメールにてお申込みください。

【研究会参加申込先】
日本価値創造ERM学会事務局 ; javcerm@meiji.ac.jp

★日本価値創造ERM学会 27年度第6回研究会★ 
 
講演(18:30~20:00) 

「事業会社における危機管理体制についての考察
   ~企業における不正・不祥事対応を中心にして」

 
吉 野 太 郎      日本価値創造ERM学会副会長

 
【プロフィール】
<略歴>
1982年 慶応義塾大学 経済学部卒業。同年東京ガス㈱入社。2003年に監査部にてERMの導入を担当後2015年3月まで、IR部(リスク管理グループ)、総合企画部にてERMの運用、危機管理体制・BCP、内部統制(会社法)、およびそれらについての有価証券報告書等での情報開示等を担当。2015年4月から同社リビング企画部ライフバル監査役チーム担当副部長。CIA(公認内部監査人)、CRMA(公認リスク管理監査人)、CCSA(内部統制評価指導士)、CFE(公認不正検査士)。

【著書・主要論文】
「事業会社のためのリスク管理・ERMの実務ガイド」(単著 中央経済社2012年)、「備えるBCMから使えるBCMへ 持続的な企業価値の創造に向けて」(共著 慶応義塾大学出版会2013年)、「企業が構築すべき実践的ERM」(新建新聞社「リスク対策.com」2015年3月25日号)、「企業におけるERMの役割とその実施方法に関する考察」(日本内部統制研究学会 第7年次大会研究部会報告2014年8月30日)、「全体最適の経営判断を支援するERM ~内部統制を発展させた先にあるもの」(日本内部統制研究学会「内部統制」2013年3月号)、「自然災害に対する事業継続」(金融財政事情研究会「週刊金融財政事情」2012年9月10日号)、「経営管理の観点からみた全社的リスクマネジメント(ERM)の役割と留意点」(中央経済社「企業会計」2012年9月号)、他多数

【要旨】

近年、著名企業で社会に重大な影響を及ぼす不正・不祥事が頻発しており、不祥事を未然に防止し、また不祥事の発生時に適切な対応を行い影響を最小限に抑制するリスクマネジメントの役割が高まっている。本講では事業会社における危機管理体制について、不祥事対応を中心に考察していく。

 事業会社において実効性のある危機管理体制を構築・運用するために、以下の3点を理解することが必要と考えられる。
 ①危機管理やBCP(事業継続計画)をリスクマネジメントの一環として取り扱うために、リスクマネジメントと危機管理との関係を理解すること。
 ②平時と有事ではリスクマネジメントの役割・性格が異なり、リスクマネジメントには平時のリスクマネジメントと有事のリスクマネジメントの2つの範疇があること。そのため、両者は分けて考え、それぞれの役割・性格に応じて構築・運用することが必要であること。
 ③危機管理体制には、各担当部門長が権限を持つ分権的な体制を取る場合と、社長に権限を一元化する中央集権的な体制を取る場合の2つの類型があること。そのため、2つの類型ごとに、それぞれに適した体制を構築することが必要であること。

 以上について説明した上で、企業における不正・不祥事対応に焦点を当て、不祥事発生時に必要な対応と不祥事の予防・抑制策について、以下の3つの観点から考察する。
 ①不祥事が発生した場合には速やかに調査を行い、事案の重要性を見極めて、重要と判断された場合には、迅速に公表することが必要である。しかし、対応が適切に行えず、対応の不備が新たな不祥事、いわゆる「二次不祥事」をもたらし、当初事案の影響を大きく上回る深刻な事態に発展する場合がある。そのため、不祥事発生時に適切に対応するために必要な体制について考察する。
 ②不祥事が発生した場合にリスク情報が迅速・確実に伝達されることが不祥事対応を適切に行うために不可欠であるが、情報伝達が適切に行えないため、対応が適切に行えず、大きな社会的非難と重大な企業価値の毀損に直面する場合が発生している。そのため、リスク情報の迅速・確実な伝達を妨げる企業内部の要因を分析し、必要な対応を考察する。
 ③不祥事は組織風土や個人の心理に関わる部分が多く、また事象の様相や原因が広範かつ多様であるため、具体的な対応策を検討しにくい場合も多い。そのため、不祥事をもたらす組織風土上の問題と当事者が陥りやすい心理状況を、㋐個人の心理的な要因、㋑組織的な要因、㋒子会社・協力企業に関する要因、㋓日常業務の中で注意すべき要因に分けて分析し、必要な対応を考察する。

 
○日時: 2015年11月20日(金)18:30~20:00  
○場所: 明治大学 リバティータワー 14 階 1144 教室  http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html
○参加申込:  (1) 参加者氏名  (2) ご所属  (3) 会員種別(個人/法人/非会員)
  を、学会メールアドレス(javcerm@meiji.ac.jp)までお送りください。    

【注】メール件名を「研究会申込」としてください。
 ○申込締切り: 11月16日(月)
  (資料準備のため、事前申込みにご協力ください)
 ○参加費: 
  法人会員(3枠) 無料  
 ※4名からは非会員枠になります。       
  個人会員¥1000- 
  非会員 ¥2500-(当日受付でご確認いただき、お支払いください)