2014年度 第5回研究会

会員各位

26年度第5回研究会を下記の通り、2014年9月19日(金)(18:30~20:00)に開催いたします。
参加を申込まれる方は、件名を「研究会申込」と明記して
(1) 参加者氏名  (2) ご所属 (3) 会員種別(個人/法人/非会員)
を下記お申込先までEメールにてお申込みください。

【研究会参加申込先】
日本価値創造ERM学会事務局 ; javcerm@meiji.ac.jp

★日本価値創造ERM学会 26年度第5回研究会★
 
講演(18:30~20:00) 

「リスク危機マネジメントのすゝめ」

東京都市大学客員教授、未来工学研究所研究参与、リスク危機マネジメント研究所代表      

宮林 正恭

 【プロフィール】
・富山県高岡市生まれ、
・昭和42年東京大学工学部を卒業、通商産業省に入省
通商産業省、科学技術庁、在ワシントン大使館、宇宙開発事業団、理化学研究所などに在勤し多方面の業務に従事。リスク危機マネジメントに関係の深いものとしては

① 化学産業および原子力産業の産業政策
② 化学工業とコンビナートの安全規制および公害問題
③ 原子力の安全規制、核不拡散問題
④ 原子力の自由活動確保、科学技術摩擦、北朝鮮問題などにおける国家安全保障と国家間利害調整
⑤ 不祥事件、セクハラ、組織管理不全の問題
⑥ 地震、地球環境問題
⑦ 組織および経営のリスク危機マネジメント
特に中心的に活動した大きな事件としては、在ワシントン大使館一等書記官時代のスリーマイルアイランド発電所事故、科学技術庁官房審議官時代の阪神淡路大震災に伴う地震調査予測の体制整備、科学技術庁原子力安全局長(原子力研究の安全問題を担当する職務)時代の高速増殖炉もんじゅ事故。

・科学技術庁(現文部科学省)の原子力安全局長、科学技術政策研究所長、科学技術振興局長などを歴任して、平成10年、退官。その後、理化学研究所理事となり、企画、経理、リスク危機マネジメントなどを担当。平成16年、千葉科学大学教授、副学長に就任。18年までは危機管理学部長も兼務。平成26年、千葉科学大学を退任。現在、東京都市大学客員教授、未来工学研究所研究参与。リスク危機マネジメント研究所代表。
・専門は、リスク危機マネジメント論および科学技術政策論。
・博士(工学、東京大学)。
・著書:「リスク危機管理―その体系的マネジメントの考え方」(丸善)2008.9、「リスク危機マネジメントのすすめ」(丸善出版) 2013.1.30 他がある。

 【要旨】

講演者は、以下のような問題意識のもとに、リスクおよび危機の取り扱いをトータルシステムとして考え、組織をマネジメントすることが必要であると考えている。その観点からこれまでのリスクマネジメント、危機管理などの知的蓄積を活用しつつ、リスクおよび危機の取り扱いを一体として考え、かつ、下記のような問題にも対応する「リスク危機マネジメント」を提唱している。この概要について述べる。

1)リスクや危機の取り扱いに関する表現は、リスクマネジメント、危機管理、BCM、 エマージェンシーマネジメントなどがあり、混乱して使われている側面がある。しかも、その内容に関する考え方が人によって異なっていることが多い。
2)リスクや危機に対する定義も学問的正確さを着そうとするためであるかもしれないが、非常にわかりにくい。
3)これまでの考え方は、リスクや危機の取り扱いは人間や社会組織が行う行為であり、心理バイアスやミスをするなどの人間的弱さを伴っていることを必ずしも十分に考慮していないように思える。
4)民間企業において盛んに行われているリスクマネジメントにおいては、リスクを減らすことばかりに重点が置かれ、なぜリスクマネジメントを行うかという視点が非常に弱いように思われる。
5)リスクと危機との関係についてのリンケージが弱く、自然災害以外についてはしっかりとしたリスクマネジメントをすれば十分であると言う考え方が非常に強い。
6)トップマネジメントいくつかの経営者層の役割とその行動の仕方について、これまでのリスクマネジメント等における考え方が、リスクや危機の取り扱いの実態とかなり大きく乖離している可能性が危惧される。
7)日本の多くの組織内において、リスクや危機の取り扱いが伝統的な縦割り構造で行われている結果、歴史的に経験の多い自然災害についてはかなりマシであるとしても、全体としてはリスクや危機に対して脆弱な我が国の現状に強い問題意識を感じざるを得ない。

○日時: 2014年9月19日(金)18:30~20:00
○場所: 明治大学 アカデミーコモン 9 階 309E 教室(※前回と会場が変わります)         http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html
○参加申込:  (1) 参加者氏名  (2) ご所属  (3) 会員種別(個人/法人/非会員)
を、学会メールアドレス(javcerm@meiji.ac.jp)までお送りください。【注】メール件名を「研究会申込」としてください。
○申込締切り: 9月15日(月) (資料準備のため、事前申込みにご協力ください)

○参加費: 
  法人会員(3枠) 無料  
 ※4名からは非会員枠になります。       
  個人会員¥2000- 
  非会員¥5000-(当日受付でお支払いください)